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患者様へ~当科の概要と方針~

小児外科は16歳未満の小児に対する一般外科の診療を行う科です。対象とする疾患には体表や内臓の先天的な形成異常が多く、その病気の特殊性やお子さんの全身状態、未熟な臓器機能を考えた治療戦略を練る必要がある点でも、成人の外科とは大きく異なります。私たちは手術によってお子さんのその後の数十年にわたる社会生活でのQOLをいかに満足できるものにできるかを考えながら、日々診療を行なっています。   

私たちは手術を行う場合、傷は小さく目立たないように、また侵襲を少しでも低減するような術式を行う方針としています。例えばおへその縁に沿った傷からでも多くの開腹手術が可能であり、この整容性に優れたアプローチを新生児に対しても積極的に行っています。

腹腔鏡や胸腔鏡下の手術も積極的に行っています。難易度の高い手術

においては必要に応じて小開腹下の操作を追加するなど、安全性、確実

性を優先したhybrid手術を行う方針としています。重要臓器や血管を巻

き込むような腫瘍性病変に対しては、私たちは開腹もしくは鏡視補助下

に加え顕微鏡下手技を加えたより綿密なアプローチで手術を行います。

新病棟であるみらい棟には総合周産期母子医療センターとこども医療

センターがあり、福島県の周産期および小児医療の中心的役割を担って

います。私たちは各部署と定期的なカンファランスを行い、胎児を含め

た小児全般の外科疾患について学内はもちろん県内外からの紹介に対し

て、迅速に対応いたします。病態によっては母体搬送、管理分娩など万

全の体制で、出生後すぐの外科治療も行うことができます。

みらい棟には県内初の小児特定集中治療室(PICU)があり、高度な集中治療を要する小児への診療体制が整っています。リスクの高いお子さんに対する外科的治療とその周術期管理についても安心してお任せください。

2017年より就任した田中は国内外で脳死および生体ドナーからの肝移植、腎移植に携わってまいりました。当院は本年から脳死肝移植実施施設としても認定され、脳死分割肝移植も実施できるようになりました。関連する診療科と協力しつつ、それら臓器不全に対する小児の移植医療も進めていきます。

                    

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後述の本院での外来診療以外にも、当科スタッフが大原綜合病院(福島市)、竹田綜合病院(会津若松市)、福島県立医科大学会津医療センター(会津若松市)、国立病院機構福島病院(須賀川市)、公立岩瀬病院(須賀川市)にて小児外科外来を開設しています。

私たちは決して難しい病気や珍しい病気だけを診療しているわけではありません。おへそ、下腹部やおしりのことなど、どのような小さなことでも心配なことがありましたら、ぜひ当院もしくは上記病院来へ相談にいらしてください。

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